category: 第一章 お姉さんは露出好き  1/3

第一話 お姉さんが来た

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 まさか突然姉ができるとは、天沢優子は夢にも思っていなかった。 優子は椿山高校に通う、二年二組の生徒で、クラスの中でも上位を争う成績を誇っていた。北海道の田舎の方に住んではいるが、大自然の中に飛び出すよりも、どちらかと言えばインドアのタイプで、自宅で小説を読むのが好きな、いわゆる文学少女だった。 椿山高校の偏差値は平均よりも上という感じで、歴史も浅く、決して名門校というわけではない。その微妙なラン...

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第二話 ちょっとエッチな転校生

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 優子がいつものように起きて、朝食の準備をしていると、美音が制服を着て、ちゃんと身だしなみを整えてやってきた。「おはよう」「おはようございます」 優子がオープンキッチンから見える美音を見ていると、昨日の全裸が夢だったのではないかと思えてくる。制服を着ている美音は、間違いなく普通の学生に見えた。「お待たせしました」 用意していたエッグベネディクトを仕上げ、トレイにのせて運んでいく。「わあ、すごい。な...

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第三話 心配する優子

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 放課後にもなると、美音の周りには男子や女子が集まっていた。その中で、どこどこに行こうとか、私の家に遊びにとか、いろいろな誘いを受けているのが聞こえてくる。 だが優子は一人、帰り支度を始めていた。「優子は帰るの?」「はい。帰りにちょっと本屋さんによって、まっすぐ帰ります」 優子の返事に、恭子は呆れたような顔になる。「いつもと変わらないねぇ。せっかくだから、美音と遊びに行けばいいのに」「いえ。私はそ...

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第四話 呼び出された美音

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 美音と時間をずらして、登校してきた優子は、自分の席に座りながら、推理小説を読んでいた。優子はいつも一人でいることが多く、まわりに存在する集団にはなじんでいない。 そこに唯一仲のいい恭子が、教室に入ってきた。「おはよう、優子」「おはようございます」 恭子が椅子に座ると、さっそく優子の方へと振り向いて、たわいもない会話を開始する。優子も読んでいた小説を鞄にしまうと、中身のない話に花を咲かせた。「あっ...

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第五話 深夜のドキドキ読書タイム

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 普段の優子ならば、どんなに小説が面白くても、夜更かしをすることはない。仮に次の日が休みだったとしても、夜更かしはしないのだ。 なのに美音に紹介された小説は、優子を寝かせてはくれなかった。 もしも美音がらみでなかったら、優子も夜更かしなどしなかっただろう。寝かせてくれないなんていうことも、なかったはずだ。だがこれが美音を知るうえで、とても参考になると言われたせいで、どこまでも読み進んでしまったのだ...

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